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[2021年04月30日]
産業廃棄物が処理される流れを解説!~収集運搬から中間処理、最終処分と各工程を理解してみる
「ゴミを減らそう」こんなフレーズを耳にする機会はありますか?
ありふれたフレーズで聞き流しがちですが、今回はゴミの中でも産業廃棄物について今一度ゴミの行方を皆様に知っていただく為に記事にいたしました。
産業廃棄物とは
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物の中の、法令で定められた20種類のことを指します。
事業活動によって生じた廃棄物でも、その20種類に該当していなければ一般廃棄物と分類されます。
「一般廃棄物」は、「産業廃棄物以外の廃棄物」との認識で構いません。
【廃棄物処理の3つの原則】
廃棄物を処理する事にあたり、3つの重要な条件があります。
1、安全化 2、安定化 3、減量化
廃棄物を処理するにはこの3つのうち、どれかに該当しなければ「処理」をしたことにはなりません。
例えば、廃酸や廃アルカリを中性にする「中和」という方法は、①の安全化にあたります。汚泥や燃え殻、ばいじんにコンクリートを混ぜあわせて固める「コンクリート固化」という手法は、廃棄物の性状を安定化させるので、②安定化に該当します。破砕機で廃棄物を砕く行為は、廃棄物の容量を減らすことができるので、③減量化に該当します。
廃棄物の処理基準について
廃棄物を処理する際にどんなことに注意する必要があるかというルールが存在します。具体的には「臭い匂いを出さない様にする」や「汚い水を地下に染み込ませてはダメ」や「ごみを散らかしながら運んじゃダメ」など常識の範囲内で分かることも規定されています。
一般廃棄物の処理基準を守る対象について
一般廃棄物の処理基準を守らなければならないのは市町村です。廃掃法での建前上一般廃棄物の処理責任は市町村にあることになっています。ただ、市町村が廃棄物処理業者などに収集運搬や処理を委託した場合には、その委託された業者も一般廃棄物処理基準を守るべき対象となります。
産業廃棄物の処理基準を守る対象
産業廃棄物の処理基準は対象が排出事業者と処理業者になっています。
共通基準
一般廃棄物・産業廃棄物ともに共通する基準は、政令第3条第1号イ~ニに記載されており、具体的な内容は下記の通りです。
1.飛散、流出しないこと
2.悪臭、騒音、振動を出さないこと
3.生活環境の保全上支障を生ずるおそれのないように必要な措置を講ずること
全てが3の「生活環境の保全上支障を生ずるおそれのないように必要な措置を講ずること」に当てはまるので、この一言につきると言ってもいいかもしれません。
産業廃棄物が処理される流れ
廃棄物の処理には「収集・運搬」、「中間処理」を経て、「再生」もしくは「最終処分」されるまでその他、全ての行為がその範囲に含まれます。
「①収集運搬について」
①収集運搬とは、廃棄物をトラックや船などに積み込み(収集)、運ぶことです(運搬)。廃棄物が排出される場所まで行き、廃棄物を積み込み、処分場まで運びます。
収集運搬は、原則として、廃棄物の保管行為を含みません。廃棄物の排出場所から処分場へ直行する必要があります。
事業として産業廃棄物の収集運搬を行うことを産業廃棄物収集運搬業といい、これを営むためには都道府県知事から許可を取得する必要があります。
収集場所、運搬先が管轄する都道府県の許可が必要ですので、たとえば、京都府の廃棄物を収集し、大阪府の処理施設に運搬する場合、京都府と大阪府の許可が必要になります。
「②中間処理」
簡単に表現すると、焼却炉や破砕、圧縮施設などゴミ処理工場のイメージです。
産業廃棄物中間処理とは、最終処分を行うために、脱水や焼却・中和等を行うことも言いますが、中間処理にはまず廃棄物の分別や、粉砕による減量化が必要です。
またこれらの処理を行う施設を中間処理施設と言います。
この中間処理を行わずにそのまま埋め立てをすれば、最終処分場がすぐに一杯になってしまいます。 はじめに再生品としてリサイクルできるものを分別し、次に可燃性のものを焼却して廃棄物の量を減らす。この中間処理を行うことで、最終処分場で埋め立てる量を極力抑えることができます。
中間処理のプロセスに限定はありません。廃棄物が①安全化、②安定化もしくは③減量化される行為は、全て中間処理にあたります。「選別」、「分級」、「薬剤処理」、「切断」、「混練」、「乾燥」、「脱水」など多くの処理方法があります。
事業として産業廃棄物の処分を行うことを産業廃棄物処分業といいます。これを営むためには都道府県知事から許可を取得する必要があります。処分業の許可を取得するためには、処理施設が必要です。処分業の許可とあわせて処理施設の設置許可も取得することになります。
「③最終処分」
すべての廃棄物が資源として再生され、最終処分するべきものがないのが理想ですが、現実には、リサイクルできないものやリサイクルするにはコストがかかりすぎるものなど、技術的、経済的に再資源化することが困難なものや、資源化などの中間処理の過程で生じるカス。これらを受け入れる施設のことを最終処分場と言います。つまり、廃棄物処理の最終段階に位置する施設が最終処分場となります。
最終処分は、埋立と海洋投入に分類されます。国土の狭い日本では、いかに埋立量を減らすか、ということは重要な課題です。
中間処理と同様、処理施設の設置許可、産業廃棄物処分業許可を取得する必要があります。